オープンダイアローグ的対話を学んで体験してみるワークショップ
2023年のご案内
“小さなモモにできたこと、それはほかでもありません。あいての話をきくことでした。” ミヒャエル・エンデ作『モモ』
分断の時代に、対話の重要性はますます高まっていますが、日本で対話が実現している場所はまだまだ少ないようです。『モモ』の物語が生まれた時代もそうだったのでしょうか。物語のなかでは、人々が少女モモのところに話を聴いてもらおうと集まってきます。今の日本では、モモのような存在が必要だということすら、多くの人が忘れているかのように見えます。
オープンダイアローグはフィンランドで1980年代に精神疾患のチーム治療として始まった対話の手法ですが、職場や地域など様々な場でも実践することが可能です。対話によって絡まった糸がほぐれていく。この手法の可能性は大きく、日本での応用可能性は未知数です。まずは知り、体験してみてください。広がり始めた対話の輪にどうぞ加わってください。
■変えようとしていないからこそ変化が起こる――この逆説こそが、オープンダイアローグの第一の柱です。 ■「自分自身を知る」とは「自分はこういう人間だった、わかった! 」という理解ではありません。自分自身もまた「汲み尽くすことのできない他者」として理解することです。 対話実践とはその意味で、自分自身との対話でもあるのです。 『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』本文より
ワークショップ「オープンダイアローグ・カフェ」は、カフェのようにくつろげる時間になるようにという思いをその名に込めて、2019年にスタートし、これまで60回以上の回を重ね、のべ約200人の方にご参加いただきました。ゆるんだ空間で対話的な相互行為を積み重ねていくと、自己、他者、環境のあいだの回路が開き、この回路こそが人間が本来の生きる力を取り戻していく源泉であるという体感をしていただけると思います。
ファシリテータは、異文化間教育、特別支援教育、即興演劇、合気道、などのバックグラウンドを生かして、段階的に無理なく対話的な在り方へと導きます。
2023年のオンライン・ワークショップは4つのテーマで4回開催します。ご興味のある回にどうぞ。何回でもご参加可能です。
**参加者の声** ■NKさん 「色々な立場や属性の方々の意見を、ダイレクトに聴く事ができ、とても短い時間に感じられました。もっと深めていきたいです。」 ■KAさん 「本当に見ず知らずの他者と、弱さを隠し合わずに、心を開きあうという得難い体験でした。とても温かい気持ちになりました。どんな話でもいったん受け止めるという能動的な態度は、他者への寛容さを生む行為そのものだと思いました。迷っている方はぜひ試してみてほしいです。」 ■YIさん 「初めて参加したのに、みるみる打ち解けて(血行が良くなったのか)身体までポカポカするダイアログの時間でした。高本さんの魅力もあって、続けて&定期的に参加したくなるようなカフェです!」 ■就労継続支援B型事業所運営 岩城寧子さん 「SNSでたまたま見かけた髙本さんのODカフェ。これは!と感じ、2時間のためだけに北海道から東京に馳せ参じ、気候の違いに汗をかきながらの初参加でした。しかし掛けたエネルギー以上のものを得ました。「自分の語りを聞いてもらえること」「自分の語りに対する反応を聞けること」が、心を救う可能性を体験をしたからです。今はそれがオンラインで参加出来るなんて! 繰り返し受講するうちに、語りの深度が増しています。髙本さんのファシリテートに促され、自分の中に湧き上がる思いに焦点が合っていきます。」 ■大学准教授 井谷信彦先生 「内と外(他者の声と自分の声)が響きあう、ポリフォニーの心地よさを堪能しました。対話が生まれ対話が続くことが大事なのだと、深く腑に落ちた感があります。」
**ご案内**
●対象者:オープンダイアローグに興味がある方、支援に生かしたい方、等
●内容
1.オープンダイアローグについての説明
2.実際にやってみる体験的グループワーク
3. ふりかえり
※ウォームアップとしてインプロのワークを取り入れています。
■方法:Zoom
■定員:6名
■講師: 髙本裕子(たかもとゆうこ)
■参加費:各回 3,000円 ★全4回にお申込み・ご参加の場合は2,500円×4=10,000円
《開催予定》
5月19日(金)19:00~21:30 テーマ①「言葉以外を全身で聞く対話的身体」
6月16日(金)19:00~21:30 テーマ②「不確実性の海に飛び込むための即興性」
7月28日(金)19:00~21:30 テーマ③「内的対話と五感」
10月20日(金)19:00~21:30 テーマ④「身体で感じるポリフォニー」
※日付に間違いがあり訂正しました。(5/4付)